顕彰馬制度に問題点
昨報の通り、今年はテイエムオペラオー、タケシバオーの2頭が顕彰馬となった。が、あくまで今年はJRA創立50周年事業の一環として「特例」であったから。この顕彰馬選定方法に残る問題点について考えたい。
昨年の投票でテイエムオペラオーが規定の75%を得られず(68%)に落選。JRAホームページにファンからの抗議が殺到した。これを受けたJRAは、対象を「過去に抹消したすべての馬」から「過去20年間に抹消した馬」と限定し、今年に限り20年以上前に抹消した馬を別枠(それぞれ2枠)として設けた。この結果、記者投票(01年度から)になって初めて顕彰馬が生まれたのだ。
その意味で今回はファンが作り出した顕彰馬と言える。ただファンがどこまで顕彰馬制度を理解した上での抗議だったのかは分からない。
この際、この制度について説明しておきたい。
顕彰馬制度とは「中央競馬の発展に特に貢献があった馬の功績をたたえ、これを後世に伝えるための制度、年度代表馬とは異なる性格で、毎年選出されるものではない」がJRAの方針。99年までに有識者によって選ばれた25頭を模範(明確な基準はない)とし、記者がふさわしいと思われる2頭を投票。75%以上の支持が得られれば顕彰馬となる。
当然ながら強い馬=顕彰馬ではないことは理解できよう。何しろ長い歴史の中でわずか27頭。2年連続年度代表馬のホウヨウボーイ、準3冠で1回しか負けていないミホノブルボンでも選出されていないのだから。また、この投票方式では「対象が広がりすぎて顕彰馬が今後出ない」と言う声も出たが「権威を保つ意味でもハードルは下げたくない」との返答。来年以降は顕彰馬が出ないことの方が自然な規定であることをぜひ、覚えておいてもらいたい。我々、記者はこの投票方法の改善を望んでいるのだが・・・。この機会にファンの方にもいろいろと考えていただけたら幸いだ。(東京スポーツ 館林 4/27)
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